車の買取りは、大きなお金が動く場合もあります。

 私も以前はそうでしたが、車を買取りに出す、売りに出す、ということを比較的簡単に考えてしまう方が多いようです。もちろんそれでも構わないとは思うのですが、車を売るという行為は、ともすれば数百万のお金が動くことになります。車は私たちにとって一番身近でかつ、場合によっては高額な資産といえるでしょう。大きなお金が動くから、という訳ではありませんが、人道的な見地からも、嘘をつくのはやめましょう。

 

 車の買取りは、最終的には実際に車を見てから価格が決まるケースが殆どですが、中にはあなたの申告を頼りに価格を出してくる業者さんもいると思います。全国規模の会社なら全国各地に支店があり、そこからあなたの元へ査定スタッフを派遣できますが、一括査定サイトに登録している業者全てがそうではありません。中には実際に査定に行く範囲を限定している業者もありますし、その状態でも全国対応としている、すなわち、あなたからの情報を元に、あなたの車の価値を算出している会社もあります。

 

 それなら、実際に足を運んでくれる業者だけにお願いすればいいんだろう、と思われるでしょう。ですが、あなたの車の価値を最大限に算出するにあたって、「見に来ることができない業者」の存在は、とても大切になってくるのです。あなたの車に食いついて来ている業者は、あなたの車に興味があるから食いついて来ているのであり、売る側としてはきちんと対応するべきなのです。

 

 もちろん実際に車を見に来て、査定できればベストなのですが、そのようにできない事情がある会社も中にはあり、えてしてそのような業者はあなたの車に食いついてくる可能性が高いという事を覚えておいて下さい。少し遠回しに書きましたが、あなたの車の査定価格を最大限まで引き出すためには、実際に車を見に来る事ができない業者も対応した方がいいのです。

 

 車を見に来てくれるという安心感があるなら、対応はそれなりでも構わないと思いますが、あなたが申告する電話や画像、状態の説明が全てである場合、売る側はきちんと状態を説明する必要が出てきます。あなたが知っている、車に関する状況を、全て相手に伝える事が必要です。車検以外で修理工場にお世話になっている場合は、きちんと申告しましょう。特に、修理をした跡というのは、後々トラブルになりやすい箇所です。車の状態や価格にもよりますが、基本的には、あなたの知っている範囲の状態を、全て相手の業者に伝える事が基本となります。

 

 中には、車は生活の道具であって、その状態などあまり頭にない、説明などできない、という方もいらっしゃると思います。その場合は、こちらから業者にこのように聞いてみて下さい。「車をできるだけ高く売りたいと思っている」「きちんと状態を説明したいが、当方は車に疎く、何を説明したらいいのかわからないので、申告する項目を教えてほしい」「後々のトラブルを避けたいので、正直に申告したい」このように相手の業者に言えば、チェックするべき項目を教えてくれるはずです。

既成概念を捨てて

 巷には車の買取りに関する様々な情報が飛び交っています。それぞれに意味があるとは思うのですが、インターネットからの情報が全てではありません。今、あなたが置かれている状況、「車を売りたい」「高く売りたい」「トラブルなく売りたい」を達成するためには、既成概念を捨てて、素直な気持ちになって、相手の業者と向き合うことです。

 

 例えば、あなたは自分の車のドアを交換しているとします。理由は、駐車場で隣の車のドアが風によって勢いよく開いてしまい、その結果あなたの車のドアがへこみ、相手の保険を使って修理した、という事だとしましょう。あなたはこの状態を素直に相手の業者に伝えればいいのです。そうすれば、相手は、「どの位ドアがへこんだのですか?」とか、「この部分の写真を撮影して送って下さい」とか、「あなたが見てみて、そのドアは色が変わっていると思いますか」とか、聞いてくるかもしれませんので、そうしたら更にその質問に対して答えてあげればいいのです。ドアが新車の時のものかどうかは、プロが見ればひとめでわかります。(私もわかります) ですが、前述の状態に起因し、ドアを交換している車であれば、査定上は事故車ではないのです。とても細かい事になりますが、車の価値を判断する基準は基本的なものにはじまって、業者ごとに線引きがあります。言い換えるなら、完全な状態の車には沢山の業者が群がりますので、必然的に価格は釣り上がります。それ以外の部分、例えば、走行距離は目をつぶる、ドアの取替までは目をつぶる、などの部分で妥協し、仕入れをしている業者が沢山いますので、私たちは包み隠さず申告をする必要があるのです。

 

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